新町商店街の「サイトウ」にある「菊水作:鳳凰殿総二階」の御殿飾り雛。昭和42年生まれの娘さんの初節句に新見市大佐の祖父母より贈られた品。七段飾りは天井近くの高さになります。

◆御殿飾り雛◆
御殿飾りは、京の御所・紫宸殿(ししんでん)を模した「御殿」を飾り、そのなかに天皇皇后を模した内裏雛のお人形を入れるというスタイル。 たくさんの人形や道具を飾るために段飾りが流行した関東に対し、京都の御所での生活を華やかに細かく再現した関西版の雛人形が「御殿飾り」だったのです。

◆昭和中期の御殿飾り雛◆
戦中戦後の物資不足と社会の混乱によって、雛人形製作は一時中断していましたが、復興が果たされる頃には、関西から西日本一帯にかけてきらびやかな御殿飾りが流行し始めます。金具で派手に装飾された賑やかな御殿には、暮らしの豊かさへの庶民の夢が込められているようです。