住まい手の思いを布に描く

加納容子さん
(染織家)

勝山の「のれん」は、住まい手と職人の恊働から生まれた町のアート。一枚一枚に、メッセージやストーリーが込められていて、住まい手がそれぞれに自己主張しているんです。そんな各家々の思いをできるだけ忠実に受け止めて、布に表現していくのが私の仕事。作家というより職人に徹して、一点一点オーダーメイドでデザインをおこし、しぼりなどの手法を用い染色しています。顔の見える関係だから、いっぱいわがままを言ってもらえるのが強み。「うちの"のれん"が一番よ」と誇らしげに揺れる「のれん」から、住まい手の感性や暮らしぶりをぜひ感じとってほしいですね。