沼田曜一 (1924-2006)は、本籍地が旧湯原村(真庭市湯原温泉)であり、幼少期から晩年まで湯原にゆかりが深い俳優、語り部。
本年は生誕100年を迎えることから、先祖ゆかりの地にある湯原温泉ミュージアム(真庭市湯原温泉)において、幅広い芸能生活を振り返る展示室をオープンします。
芸能生活前半生における沼田曜一独自の「俳優」像、及び後半生で成しえた沼田曜一独自の「民話の世界」を取り上げる内容となっています。
なかでも、代表作 原爆の民話「おこりじぞう」という、広島に投下された原爆で命を落とす少女を主人公とした悲しい物語を、画家 四國五郎✕俳優 沼田曜一の 映像 『絵本 おこりじぞう』※1 として常設上映する「感動」の時空体験です。
戦争とシベリア抑留の体験を持つ 画家 四國五郎 が「こわいものなど描きたくはないのだが、こわいものを地上から無くするためには描かねばならない。」との思いから描き上げた絵本の 「絵」 を背景(スライド)に、 俳優 沼田曜一 が、原作から自らの言葉で 「語り文」 を起こし、「私は、日本人の一人、一人の心の奥に、祈るような 思い をこめて、この話を語り続けてゆきたい」と鬼気迫る渾身の 「語り」 (生前肉声)が 映像 『絵本 おこりじぞう』(10分)として甦ります。
※1 『絵本 おこりじぞう』 (原作:山口勇子 語り文:沼田曜一 絵:四國五郎 刊:金の星社 昭和54年(1979年)出版)