なぜ真庭で発酵?

発酵の世界

発酵は、示唆に富む。奥が深く、美しい。人間の及ばない自然の営みに、そっと人が手を添えていく。そうしてともに生きる中で多様な微生物たちが答え、これまでにない複雑で深みのある味わいになっていく。酒づくりでもチーズづくりでも変わらない、職人や杜氏はそのために五感を、時に第六感を微生物たちに捧げている。健康に良いというだけでは語り切れない、文化と営みが発酵にはある。

なぜ真庭で
発酵?

発酵に欠かせない微生物の働きに適した地、真庭市。中国山脈のほぼ中央に位置するため、高原地帯があるほど標高が高く寒冷、清らかな雪どけ水にも恵まれ、微生物たちの働きを引き立てている。さらに軟水と硬水の源流が交わる全国的にも希少な地でもあり、歴史・文化の観点に留まらず、いまもなお真庭の特異な環境を求めて多様な発酵食の職人が集っている。

発酵の技術と伝統の味を未来につなぐ

軟水と硬水の違いが、発酵文化を育む

水は、酒づくりに欠かせない。軟水と硬水の違いは、酒づくりの技・文化にも影響を与えてきた。軟水ではより多くの仕込み水を使い、硬水では少ない仕込み水を使う。そのため、発酵のぐあいが変わり、味わいも変わってくる。酒づくりに限らない。軟水と硬水の違いが、真庭の豊かな発酵食文化を育んできた。

伝統的な発酵調味料が、郷土料理を支える

130年以上途切れたことのない地下水から育まれた、伝統的な発酵調味料である「酢・味噌・醤油」。蔵付き酵母とむかしながらの手仕事を通じて、真庭の郷土料理だけではなく、現在にも受け継がれ、真庭の食文化すべての支えになっている。

おいしい水がある真庭は、
醸造業に適したまち

長い歴史のある伝統の味を守りつつ、真庭の特産品を生かした新しい醸造業の誕生も特徴的。ジャージー牛の酪農産業からチーズ作り、蒜山高原に自生したヤマブドウからのワイン製造、旭川の伏流水とホップ、地元産の原料が合わさったビール醸造。おいしい水がある真庭は、醸造業に適したまち。今でもここにしかない水と発酵文化を求めて多くの人たちが訪れている。

発酵文化にふれる「まにわ発酵ツーリズム」

若い世代に発酵食を知ってもらおうと2012年の「まにわ発酵’s」結成から趣向を凝らしたイベントを開催。近年では1泊2日のバスツアーを企画実施し、発酵料理人とまにわ発酵’sによる真庭産発酵料理を提供。ツアーではまにわ発酵’sの工房や蔵を見学し、職人たちから細かな説明が聞けることで好評。水の違いで生まれる多彩な食文化と、それを守る人々の技、豊かな自然と歴史が息づく環境。そんな真庭の魅力を、「発酵」を入り口に発信していく、それが「まにわ発酵ツーリズム」。

発酵マイスター インタビュー

料理家・発酵マイスター 榎本 美沙

プロフィール
料理家・発酵マイスター。
発酵食品、旬の野菜を使ったシンプルなレシピが好評で、テレビ、雑誌や書籍へのレシピ提供、イベント出演などを行う。YouTubeチャンネル「榎本美沙の季節料理」、Instagram(@misa_enomoto)、夫婦でつくるレシピサイト「ふたりごはん」も人気。
最新刊『榎本美沙の発酵つくりおき』(家の光協会) その他著書に『発酵あんことおやつ』『ひと晩発酵みそ』(ともに主婦と生活社)、『ゆる発酵』(オレンジページ)など多数。

"真庭の繋がり"

真庭にはご縁をいただき何度もお伺いしていますが、
とにかく、"繋がり"が魅力の地域だなと感じます。
真庭には、みそ、酢、しょうゆ、日本酒、ワイン、ビールにチーズなど、和洋問わず幅広い発酵の醸造所がたくさんあります。

それだけでも魅力的なのですが、真庭のすごいところは、その繋がり。
例えば、競合とも言える酒蔵同士が仕込み水を交換して酒を仕込んだり、それぞれの杜氏が仕込みを手伝ったりしていると聞いた時には驚きました!

「まにわ発酵's」というグループを組み、それぞれの醸造所がコラボレーションした商品が生まれたり、イベントが開催されたり、
相乗効果でよいものが、よりたくさんの方に伝わっていると感じます。
私自身もその魅力を感じて、大好きな場所になりました。またお伺いするのが楽しみです!

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